…はっ?

何を言われたのか、全く理解ができなかった。

えーっと…それはつまり、“浮気相手になってくれ”と言うことでしょうか?

彼女がいるのに他の女性とつきあうって…。

記憶の奥底にふたをして、厳重に鍵をかけた思い出が開きそうになった。

「ごめんなさい、言葉不足でした」

星崎さんはすぐに謝った。

「あっ、はい…」

私の方こそ申し訳ありません。

星崎さんをそう言う人だと勘違いしてしまって、本当にすみません。

心の中で謝った私に、
「実を言いますと…35年の人生でできた初めての彼女なんです」

星崎さんが言った。

「えっ、初めてですか?」

確かにそう言った話を聞いたことがなかったなとは思いましたけど。