「尾形せんせー?なんで…」


「言ったじゃん、俺沙也加が好きだって」


そう言うと沙也加を優しく抱きしめた。


俺は沙也加を掴もうと手を伸ばすが


沙也加自ら俺の手を弾き、


尾形せんせーに抱きついたのだ。


「私さ、せんせーの事好きでもないけど
 臼井くんよりは好きだもん」


ふっ、と言うと尾形せんせーは


俺を小馬鹿にしたように嗤った。


「ほらね?沙也加。家帰ろう?」


「うん。」


沙也加は尾形せんせーに笑いかけると


抱きついた。


それは俺にも見せなかった笑みで。