「つまり、貴方は裏切っていないと言いたいのですか?
この写真は合成も何もされていなかった。これをどう説明するんです?」
「それと、お前の方こそ俺らを信頼してたのか?あんま自分のことは話してくれねぇし、何でそんな姿なのかも言ってくれねぇじゃんかよ!」
”そんな姿”というのは、珱が前髪を長くし、瓶底眼鏡をかけた姿の事だ
『そうだな、信頼してなかったのかもな。
だからこんな事が起こった。最悪だ
その写真、本物だよ。俺は花鳥風月の倉庫に行ったし、幹部とも会ったことある
……俺は裏切り者。これでいいだろ?』
珱が諦めたようにすべてを認めた
自分は裏切り者だと。
その姿にその場にいた全員が驚き、目を見開いた
その驚きは、珱の態度にだけではなく別のことにも向けられていた
「幹部にあったことがあるのですか?」
「珱君、本当なの?」
「嘘じゃないのか?」
なぜ、花鳥風月の幹部に会ったことがあるというだけでここまで驚くのか
それは、幹部以上の顔がトップシークレットだからだ。
年齢、背格好、性別さえも秘密にされている
その幹部に会ったことがあるというのだ
どれ程深い仲にあるのかは明白である