どうしたんだ、あれは、と思いながら、航はよろめきながら去っていく遥を見送る。

 うちの親がなにか余計なことを言ったのだろうか。

 ……本当に一言多い人だからな。

 朝、母親が、遥と真尋の店で会ったといって電話してきたのだが。

 真尋の店で会った、というところが癇に障って、朝だから急いでいると言って、すぐに切ってしまった。

 だから、遥とどんな話をしたのか知らないのだが。

 あとで確かめておくかな、と思ったが、忙しかったので、結局、そのままになってしまった。