更に数日後。休日のことだった。



「あなた、手紙来てるわよ」



穏やかな笑顔で浮かべた妻に渡された封筒には『郵便屋さんへ』と書かれた綺麗な字。



俺のことを郵便屋さんと呼ぶのは一人しかいない。


「あなたがまりなちゃんの知り合いだなんて思ってもみなかったわ。世間って狭いのね?」


まりな?


「そうよ、久世 まりなちゃん。私の教え子なの。懐かしいわぁ。」



へぇ。どんな子だったんだ?


そう尋ねれば、妻は笑った。

まずは、手紙を読まなくちゃね。