北冠高校のお嬢さまっぽい制服……白襟セーラーに、シックなグレーのチェックのスカートとベスト。

あたしは式の時以外はわずらわしくて、クロスリボンタイは外しているけど、薫先輩はきちんと身につけている。



自分の趣味に没頭しがちなあたしでも知っているくらい話題にのぼる人が、まさか金井たちの幼馴染だったなんて。

知られていないことが不思議で仕方がない。



それでまぁ、当然のように好きになった金井は告白を決意する。

だけどうちの高校では数少ないヤンキー的存在の彼は素直になれないたちで、面と向かって言わずに済むからラブレターを書くことにした。

そのくせ書き方がわからないと困ったらしく、苦肉の策であたしに訊くことに決めたんだと。



なんで関わりのないあたしなんだ! って思ったけど、それはどうやらあたしの部活が理由らしい。



こう見えてあたしは文芸部所属。

読書が趣味で、自分で小説を書くことも好きな文学少女なんだ。



あたしは金井がそのことを知ってるとは思ってなかったんだけどね。

あんなに周りに関心がなさそうなのに、ちゃんと同じ教室にいたんだなぁって感じた瞬間だった。



とまぁそんなわけで金井はあたしに頼んだというわけだ。



でも……。