そのあと、ようやくはじまった4人での勉強会はもちろん厳しく指導させてもらいましたとも、ええ。

まぁ、怒りは落ち着いたとはいえ許してないもんね。

当たりはきつくなるに決まっている。



でもそれも金井のためになることだし、優しすぎるよりはばんばん言われる方が彼にとってもやりやすいみたいなんだ。

ぽんぽん言葉が飛び出すから、同じように返した方が会話も弾む。

しばらく一緒にいて、あたしにはそれがよくわかっていた。



詩乃はまだ金井と直接関わったことはほとんどないから、そこまで親しくはできていないけど、それなりに淡々と教えていたんだじゃないかなぁ。



公式が違う! 文法気をつけて! と英語。

漢字と単語で点数を稼ごう! と現代文に古典。

あれやこれやと基本的なことを叩きこむ。



そうしていると金井は「こいつまじかよ」と言わんばかりの瞳であたしを見やる。

そろそろキャパオーバーと思われる彼は頭をくらくらとさせている。

やりすぎた、かなぁ?



「あたしのこと、金井はばかだと思ってたでしょう?」

「ああ」

「正直だね!
でも残念、文系は悪くないんだよ!」



日本史も世界史も大好き。

歴史ものの原稿に使えると思ったら、楽しくてどんどん勉強できる。

原稿のためならなんでもできる、それがあたし、日生 彩です!