心の中でくらい言葉づかいが悪くなることは、大目に見て欲しい。

よくないことだとは思うけど、とっさに浮かんでくるんだもん。



もう1度メモの端のですが彼の言葉を見やる。



シャーペンの芯が擦れて薄汚れた、ぺらぺらの紙。

先生の言葉を追うように慌てた文字は汚くてちょっと読みにくい。

提出物じゃないからいいものの、金井の言葉はひどいのにあたしとは比べものにならないくらい綺麗で、余計に腹がたつ。



〜〜まったく、なんて手紙なんだろう!

いくら相手が薫先輩じゃなくてあたしだとしても、仮にも今は手紙を書く練習をしているというのに、これはひどい。

むかつくわ……。



じとり、と隣に座る金井に視線を絡みつける。

座ったままここにいるだけで上等だと思わなくもないけど、だるそうにシャーペンをくるくると回している姿はもう……どうしてやろうか。



……うん。よし、決めた。

元々あたしと詩乃、戸川の3人で金井に勉強を教えるつもりだったけど、予定以上に厳しくしてやる。

それで金井が今までに見たことのないくらいのいい点を取らせる。



前言撤回、メモを見た瞬間の考えはなしだ。

さっきはお礼を言えなんて言うつもりなかったけど、ここまできたら『教えてくれてありがとう』くらい言わせてやりたい。



あたしは、この手紙の書き直しを要求します!