「話くらい聞いてやったらどうだ?」
俺がそう言うと北野は俯いた。
「嫌です。もし他に真実があるのなら、もっと前に、転校前に言ってたはずだもん。」
「教える前に転校してったのはそっちだろ。」
「第一、祐也くんが悪いんじゃなかったらどうして今日会った時に私が嫌がるようなことをしたの?
生意気になった、とか言ってきたり、携帯捨てたり、キスをしようとしてきたり。」
確かに北野のいう事は正論だ。
だけど、
「それは…っ…」
こんなみっともなく泣きそうな赤井が嘘ついてるとは思えない。
北野のことが大好きで仕方ない赤井が…。