「二人とも死んだ。」
先輩はそう言って私を見つめる。
「え…?」
突然のことに頭がくらくらする。
「母親は俺が幼い頃に病死。その後父親は俺を育ててくれたらしいが、
俺を育てるために会社休んだり早退したりしてくうちにリストラされて、
社会的にも精神的にも追い詰められて自殺したらしい。」
悲しむわけでもなく淡々と、無機質の機械のように答える先輩。
こういう時ってなんていえばいいのだろうか。
「あの、この家は…?」
私の口から出たのはただ単に気になった疑問だった。
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