チラリと先輩の表情を伺えば、とても難しい顔をしていた。


…というよりは、いつもと同じ表情だ。



先輩は普段からしかめっ面というか機嫌悪そうな表情をしている。


もったいないなぁ、と思う。



本当はこんなに優しいのに、こんなに面倒見がいいのに。




すると私の視線に気づいたのか先輩は不審な顔をして私を見る。



「どうした。わからない所でもあったか?」



「あー、いえ。勉強に疲れてきちゃって。」



ははっ、と笑うと先輩はため息をついた。