「先輩の香り落ち着きます。」



北野はそう言って俺にピタリとくっつく。


「そう、か…」



正直俺もやばい。北野から微かに香るシャンプーの匂い。


甘い、な。


なんかの花の香りだろうか。それはとても、甘く切ない。



「…やばい。」



だが、本格的にやばいぞ。先に肩を抱いたのは俺だけど、北野がこんな可愛い反応見せてくれるとは思わなかった。



「…先輩?どうしたんです?」



そして極めつけは上目遣い。



ーープツン、と何かが切れる音がした。