陽子がいなくなってから
クラスの皆から避けられているような違和感を
舞子は感じるようになった。
まるで魂の抜け殻のような舞子の佇まいが
他を寄せ付けなかったのかもしれない。

屋上へと続く階段を上りきったところにある
踊り場は二人にとってはお気に入りの場所で
昼休みにお弁当を食べたり
放課後に他愛もない話をして過ごす
贅沢な空間だった。

踊り場にある扉には
「立ち入り禁止」の張り紙があり
鍵がかかっていて
屋上へいけないようになっていた。

陽子がいなくなってからも
舞子はその場所に足を運んだ。
陽子との思い出を確かめるためだったが
居場所のない舞子が避難する場所でもあった。