それからしばらくの間、休み時間になると
ふたりで折り鶴を折るようになった。
折り鶴に命を吹き込む共同作業は
舞子にとってとても楽しかった。
ふたりにとって折り鶴は
単なる「紙」で折った鶴ではなく
命を宿した生き物のようにも思えた。

陽子は手のひらに折り鶴を乗せて
満面の笑みを浮かべながら
「このまま空に飛んでいきそうだね」
 と言った。