正直いって
このときの記憶は
灰色のもやがかかったようにしか
覚えていない

なぜ二つ返事してしまったのか
自分でもわからない

冷静さが
欠けていたのかもしれない
野田の口車に
飲み込まれたかもしれない

でも…

わたしの中で
この感情だけは表立っていた



『絶対売れてやるんだ』