目が覚めると
部屋全体が
夕焼けに染まっていた

夕方か……

ん……
あれ…
つか…
いつの間に
ベッドで寝てんだろ
あたし

訝しげに
リビングへ歩くと
きれいに片付けられていた

それに
クリームシチューの
香しい匂いが鼻をくすぐった

台所に
目をやると
『南 恭子』が立っていた

「あら
 起きたの?
 もう少しでご飯できるから」

あたしは
きつい視線を
彼女に向けた

あたしのにらみを
受け流すように
南は
てきぱきと食事をつくっている

「なに
 人の家に勝手に
 入り込んでんだよ
 泥棒猫」

彼女は
シチューを味見する

「みんな
 ひつじのこと
 心配してるわよ
 元気いっぱいの
 あなたを早くみたいって」

「関係ないし」

あたしは
唇を尖らせた