「出て行きなさい
 勘当だ
 もうお前とは
 親子の縁を切る」

父親が
重い口を開いた

「お…
 お父さん…」

母親は
声を震わせていた

あたしは
床に正坐してる
父親をこれでもかというほど
にらみつけた

でも
彼は
あたしと
一切目を合わそうとしない

「はやく荷物をまとめて
 出ていきなさい
 明日役所に行って
 離縁手続きをしてくる
 お前は娘でもなんでもない」

父親の声は
崖から
背中を押すかのごとく
冷酷だった