「学費は
 誰が払ってると───」

「そんなの
 あたしが働いて返してやるよっ
 いっとくけど
 一日か二日で
 あんたの
 一ヶ月分の給料より
 あたしのほうが稼げんだしさっ」

父親の言葉が
終わる前に
あたしは怒鳴った

「くるみっ」

母親が
あたしを一喝した

「なに?
 あたし悪者?
 AV女優ってだけで
 非難されるわけ?」

「そんなこと
 いってるわけじゃないでしょ……
 くるみ」

母親の
目から
涙が浮かんでいた

「あたし
 もう二十歳だし
 干渉される年齢じゃないじゃん
 学校いくのも
 あたしが決めるっ
 全部独りでできるしっ
 あんたらの
 世話になんかならないから
 ねぇ
 文句ある?
 なんか文句あるなら聞くけど」

今まで
素直で
良い娘ちゃんで通してきた
あたししか見ていない
母親は
あたしの
乱暴極まる発言に
絶句していた