「なんで
　いまその話をしたの」

率直な疑問をぶつけた

「終わりにしたかった
　すべてを……」

終わりにしたかった…と
彼はもう一度口にした

「今まで
　あたしみたいな
　女を何人ＡＶにいれたの？」

「７８人」

あたしは
奥歯を強く噛んだ

「もう
　俺にかまわないでくれ」

彼は
左手で額をおさえた

ざけんな

「ふ…
　ふふっ
　ふふふふふ
　ふざけんなっっ」

あたしは
ぐっと握りしめてた
カルピスの缶を
きつねに目掛けて
思い切り投げつけた

けど
彼には当たらず
壁にぶつかり
床に散らばるように
中身が流れ出た

あたしは
目につくもの全てを
手当たり次第
彼に向かって放り投げた