「お前は
 俺の手順通りに
 AV女優としての
 道筋を歩んできただけ
 もちろん
 お前と結婚する気なんて
 毛頭ない」

あたしは
カルピスの入った缶を
この上なく
強く握りしめていた

「すべて
 金のためだった」

きつねは
視線を床から離そうとしない

「なん……」

あたしの
声がかすれていた
ぐいっとカルピスで
喉を潤した
なにも味がしなかった