「くるみ…
 俺はお前をだましていた
 出会ったときから
 ずっと」

きつねは
目頭にかかった
前髪をはらう

「上杉 達也って
 名前も偽名だし
 保険の仕事もしていなかった
 お前と出会った頃から
 俺はどっぷりホストだったわけだ」

あたしの
喉はひっつくぐらい
渇いていた
なのに
唾を飲む動作を忘れていた

「出会ったとき
 携帯を無くしたってのも嘘
 声をかけるときの上等手段さ
 それで女の番号を知る
 この手口で
 何千人という女に声をかけまくった」

彼の
突然の告白
頭から血の気が引いた
こんな感覚初めて
多分鏡みたら青白い色なんだろな顔

ん…
なんだろ

きもちわるい