「くるみ
 お前はもう店にこなくていい」

あたしが
冷蔵庫から
カルピスを取り出してるときに
きつねがいった

「え
 なんで?
 どして?」

あたしは
きょとんとした

「店辞めようと思ってんだ」

「えっ?
 どこか身体悪くしたの?
 病院いったの?」

「いや
 そうじゃない
 もう堪えられなくてさ」

「なにが?
 どうしたの?
 きつね?」

きつねは
壁にもたれて
うなだれている

「店で
 なにかトラブルでもあったの?
 ねぇ
 きつね?」

きつねは
ゆっくり空気を吸い込むと
長いため息を吐いた