母親からだった

「くるみ?
 いますぐ
 家に帰ってきなさい
 大事な話があるの」

哀しくも
冷淡な口調だった

あたしの
返事も聞かないまま
母親は電話を切った

神妙な顔してたからかな
庵 ねる
いや
つかさが
心配げな面持ちで
あたしを見ていた

「ごめん
 あたしから話し掛けたのに
 急に用事ができちゃった」

「うぅん
 気にしないで
 今度一緒にご飯でもいこ」

「いいね
 あたし安くておいしい店
 知ってんだ
 連れてってあげる」

「うん
 楽しみにしてる
 あっ
 くるみのアドレス教えて」

あたしたちは
アドレスと
番号を交換して
別れた