上杉と出会ってから
幸次をないがしろにしていた
はっきりいって
眼中から消えていた

電話も無視
学校で逢っても
そつない会話でその場を凌いだ

次第に
幸次が離れてゆくのが
わかったけど
どうでも良かった

あたしから初めて
上杉に電話した
単純に逢いたくて

彼のことを色々訊いた
仕事は保険の営業
趣味は釣りと寝ること
特技はどこでも寝れること
彼女はいない

モデルや俳優の卵っていう
回答を期待してただけに
意外と普通なんだ
という印象を受けた

でもそれが逆に
親近感を湧かせた