それから上杉から
度々電話があった

五分くらいの
単なる世間話的な会話だったけど
あたしの胸は弾んだ

それはただ
上杉というイケメンと会話ができるから
という単純な想い

彼を好きになるなんて
この頃は考えていなかった
……いや
考えられなかった

あたしみたいな
なんの特色もない女を
上杉みたいな男前が
相手にするはずない

それにあたしには
彼氏がいるし

幸次とは専門学校で出会った
至って普通の会話から
なんとなくいいなぁと思って
彼の微妙なアプローチに
まっ、嫌いじゃないし
という感じで付き合った

それなりに
楽しいお付き合いをしていた