コロ助は結局
あたしの中で三回イッた

彼は
なんどもお礼を並べた

これからも逢ってほしいと
熱く申し込まれたけど
やんわり断った

最後に彼はこういった

女性とエッチするのは
正直諦めていたんだ
外見もこんなんだし
風俗にも何度も行こうかとも思った
でも笑われるのが恐くて
どうしても足が竦んでしまったんだ
ぼくにとってセックスは
夢の
夢の
そのまた夢だった

その夢を叶えてくれて
ありがとう

生涯忘れないよ
ほんとうにありがとう

コロ助は
最高の感謝を述べて帰っていった

こんなにも
他人に感謝されたのは
生まれて初めてだった……

あたしは仕事のつもりで
コロ助とエッチしたわけだけど
彼にとって
生涯忘れられない思い出作りに
貢献できたわけだよね

なんか
AV業界入って
初めてやりがいっていうのかな
AV嬢やって良かったと感じた

ふぅ
仕事終わった

ホテル前で待機していた
ADにハンディカムを渡す
おつかれさまでした
の言葉と共に事務所に帰るAD

なぜか
無性にきつねに逢いたくなって
タクシーをとめた