「ホワイトタイガー……か。レイ、白虎って知ってる?」

「びゃっこ?」

「あぁ、白い虎と書いて“白虎”。中国の伝説上の神獣で、四神の一つなんだ。東を守る青龍、南を守る朱雀、北を守る玄武、そして、西を守るのが白虎なんだ」

「ふーん、西……か」

「あぁ。それに、その四神には、それぞれ季節や色も割り当てられてて、白虎の色はもちろん白、季節は秋なんだ」

「秋?」



まるで、アキそのものじゃない。

白く、気高く、そして強い。

そんな私の心の中を見通したみたいに、アキは言う。


「なんであの時、俺がレイの前に現れたと思う?」

「え?」


アキの真っ直ぐな瞳に、私の目は釘付けになっている。

この瞳から目を逸らすことなんて、出来るわけがない。