今日の私は、なんだか饒舌みたいだ。

思いのほか好みだった、アップルワインを飲みすぎたせいだろうか。

普段は、こんなに気持ち良くお酒を飲んだりしないから、酔うと自分がお喋りになるだなんて、知らなかった。


「ねぇ、アキ」

「ん?」


アキはようやく、私の方へ顔を向けてくれた。

すると、やはりそこには、タイガーアイのような深い黄褐色の強い光を放つ瞳があった。


「今朝、助けてもらった時ね、アキがまるで、ホワイトタイガーに見えたんだ。なんでかわからないけど、アキのことは全然怖くなかったの。あんな出会いなのに、不思議だよね」


今朝のことを、思い出す。

本当はすごく怖い目に遭ったのに、思い出すのは、アキに抱きしめられた腕の強さや、ドクドクと感じた心臓の音だ。