今日訪れた、ここフランクフルトは、旧西ドイツの商業の中心地として発展した町だ。

国際空港があるため、多くの旅行者が通る、ドイツでも有数の大都市。

先に訪れたアムスでも触れたアンネ・フランクや偉大な詩人ゲーテの生誕の地としても有名だ。



中央駅のインフォメーションで、今夜の宿を見つけてもらったが、まだ昼前でチェックインには早い。

コインロッカーに荷物を預け、街歩きにでも出ようと思っていた。



なんとなく一人になりたくて始めた旅行だったけど、今では刺激的な毎日が楽しくて仕方なかった。

出発する前は、特に何がしたいわけでも、目的があったわけでもなかったのに。

ただ日常から逃げ出したかった、それだけだ。

それが、今では毎日列車で新しい街に向かう。

特別な観光名所だけじゃなく、そこかしこで営まれている日常の生活にすら、感動を覚えることが出来ている自分に、何より驚いていた。

日々の生活が、こんなにもドラマティックだなんて―――