「もう、ジュンのはどこまでが本気で、どこまでが冗談か、わかんないよ」
私の怒った顔とは反対に、ジュンは満面の笑顔だ。
「俺は、いつでも、本気やっちゅうねん。でも、怒ったレイも、可愛いなぁ。残念やけど、今度にとっとくわ。レイとは、また、会えそうな気がすんねん。この旅のどこかで」
「え?」
「ただの、予感やけどな。ほら、俺ら運命の出会い、っちゅうの?強く結びついてんねんて。だから、また、きっと会える思うねん」
ジュンの言葉を聞いていたら、ふと、リリィのことを思い出したんだ。
彼女との別れの時も感じた予感―――
また、どこかで、会えるんじゃないか……って
「それ、わかる気がする。運命かはわかんないけど、ジュンとは、またどこかで会えそうだよ」
「やっぱり?俺らは相思相愛やんなぁ。やっぱり待ちきれへんは、よっしゃ、チューしとくか」
そう言って、また私の体を抱きしめようとするジュンからスルリと逃げ、私は改札へと駆け込んだ。