「ジュ、ジュン?」
「ちょっとだけこうさせて」
普段より少しだけ真剣で切ない声。
そう言うと、ジュンは、私の体をギュッと抱きしめた。
私はと言えば、突然の慣れない感覚に戸惑うばかりだ。
「レイ、ありがとう」
「え?」
耳元でジュンの声が聞こえて、少しくすぐったい。
「昨日は、カッコ悪いとこ見せて、ごめんな。でも、レイに会えて、ほんま良かったわ」
「そんな、それは私の方だよ。こんなに、ずっと笑ってたのなんて久しぶりで、日本にいる時じゃ考えられないくらい楽しかった」
「まさかレイ、俺に惚れたんちゃうやろな。なんなら、チューでもしとく?」
そう言って、ジュンに顔を覗き込まれて、固まってしまった。
顔から火が出そうなくらい、真っ赤になってる。
するとジュンは「冗談やって」って言いながら、私の体を離してくれた。