「おはよう、ジュン」
「あぁ、おはよう、よく眠れた?」
「うん、なんとかね」
昨日は、あれから部屋に戻ると、夕方は元気だったカップルも、静かに眠ってたんだ。
私とジュンは、苦笑いしながら、それぞれのベッドで眠りについた。
朝ごはんを食べながら、これからの日程について、二人で話しをした。
私は、ドイツへ向かおうと思っていた。
ジュンはと言えば、もう少しここで歌を歌いたいんだ、って言ってた。
ここは、世界中からミュージシャンが集まっては、路上のそこかしこでコンサートが行われている街だ。
きっとジュンにとって、一番居心地のいい場所に違いなかった。
ジュンが駅まで送ってくれると言うので、二人で歩いていくことにした。
彼の荷物はと言えば、今日も背中のギター一つだけだ。
あとの荷物は、連泊予定のユースに置いてきている。