ダニエラは、またいつものように、ベッドに寝っ転がってレポートを書いていた。
その、いつも通りの姿が嬉しかった。
「さよならは言わないわ。レイとは、またどこかで会えそうだもの」
「そうね、私もそんな気がするわ。また会いましょう」
「ええ、またね、レイ」
ここでの生活も任務も、辛く過酷なものだった。
それでもこうして終えると、いつも心に残るのは、一緒に働いた仲間との楽しい思い出や、子供たちの明るい笑顔だ。
もちろん、たくさんの死や、目を背けたくなる現実にも、幾度となく直面してきた。
それでも、命ある限り、私は前を向いて生きていかなければいけない。
だって、私は生きてるから―
仕事を終えるたびに“また次に立ち向かえる”そう思えるんだ。
私は胸元に手をあてた。
あの日から片時も離さず、身につけているネックレス。
それにぶら下がった小さなプレートを、強く握り締めた。