見たかったマヘレのはね橋や、アンネ・フランクの家を見学した私たちは、夕食を食べに、地元の人たちで賑わう食堂に入った。
そこは、インドネシア料理の店。
旧植民地だった影響らしいのだが、インドネシア料理は、オランダでは第二の国民食になってるんだって。
厨房を覗くと、どうやら移民の人たちが作っているらしく、味は本格的。
しかも値段も安くて、貧乏旅行者の私たちには、ありがたい限りだ。
“サテ”と呼ばれる焼き鳥や“ナシゴレン”、インドネシア風サラダの“ガドガド”や“チャプチョイ”と呼ばれる野菜炒めまで、テーブルの上は、ここがオランダだということを忘れさせる賑わいだ。
そして、どれもスパイシーで美味しい。
まるで、インドネシアにでも来てしまったような気分も味わいつつ、私は一人ではない夕食を楽しんだ。
ジュンと、ジュンが話しかけるテーブルのお隣さんや店員さん、みんなを巻き込んでの、とにかく楽しくて賑やかなディナータイムだった。
夕飯を済ませると、あたりはすっかり夕闇に包まれている。
するとジュンは「見せたいものがある」と言って、ダム広場を背に歩き出した。