ジュンは、街中で面白いものを見つけては、物真似したり、茶化してみたり。
とにかく楽しくて、いつの間にか、私も笑いっぱなしになっていた。
「よかった」
「ん?」
「レイ、最初会った時さ、全然笑わへんから、俺、嫌われてるんかと思ったわ」
「そ、そんなんじゃないよ。ただ、男の子と二人で話したりとか歩いたりとか、あんまり慣れてなくて……ごめん」
「うっそ~、マジで?!レイって、絶対、彼氏いてると思ったのにー!よっしゃ、俺が立候補したるわ!」
ジュンが真面目な顔で「お願いします!」って、バラエティのお見合い番組みたいに右手を差し出すから、私も思わず「ごめんなさい」って大声で言ってしまった。
するとジュンは「そんな~、レイ返事早過ぎやし!!」って、またオーバーなぐらい肩を落として、ションボリして見せた。
でも、その様子も可笑しくて、二人で顔を見合わせると、堪えきれずに大声で笑ったんだ。