パリから始めた鉄道の旅も、オランダで三カ国目。
国境を越えるたびに入国審査があるのかと思いきや、全くそんなことはなくて、拍子抜けしてしまった。
まるで、国内旅行のような感じだ。
国境は県境と同等で、パスポートをチラッと確認する程度、スタンプは押されなかった。
でも、やはり車窓の風景は、国をまたぐごとに変化していく。
それに、言葉と通貨も。
オランダの公用語はオランダ語、通貨はフローリン。
見慣れない単語が、駅に到着するたびあちらこちらに見えてきて、ようやくオランダへ入ったのだと実感した。
アムステルダムはオランダの首都
海抜ゼロより低い所にあるこの街は、運河と緑に囲まれた、自由な貿易港として発展してきた。
第二次世界大戦下に、多くのユダヤ人を受け入れた、寛容な博愛の精神は今でも引き継がれていて、街は多くの移民や各国の船乗り、ツーリストで溢れている。
そんなアムステルダムは、一種独特のコスモポリタン的雰囲気を漂わせていた。