ダニエラはレポートを書く手を止め、私が身支度する様子を見つめている。


「次はどこへ?」

「まだ次の派遣先は決まってないの。それまでちょっとドイツへね」

「ドイツ?」


ダニエラが、期待に満ちた目をしているのがわかって、少し可笑しくなった。


「約束があるのよ」

「約束?あら、恋人かしら?」


ほらね


「そうね。恋人よりも大切な人かも」

「あら、レイにそんな人がいたなんて初耳だわ」

「私に生きることを教えてくれた人。命の恩人よ」

「そう。素敵な休暇になるといいわね」

「ありがとう、ダニエラ」