「すごいね、これで13フラン(=約¥300)だよー!食べきれるかな」
目を輝かせて言うリリィを見ながら、私も目の前のプレートには驚くばかりだった。
サラダにフランスパン、メインのポークソテーに、ラタトィユとフレンチフライが山盛り添えられている。
しかもヨーグルトのデザート付き。
これで13フランとは驚きだ。
「やっぱり学生は学食でしょ」
なんて言うリリィは、とっても満足そうだ。
細い体のどこに入るのか不思議だが、彼女はそんな山盛りのプレートを、スゴイ勢いで平らげていくんだ。
でも、その姿も何故かセクシーで、さっきからチラチラとフランス人の男の子たちも、リリィに視線を送っているのが、私は気になって仕方なかった。
「リリィ、さっきから見られてるね、男の子たちに」
「あら、あたしの美しさは万国共通なのね」
なんてシレっと言うリリィが可笑しくて、私は声を上げて笑ったんだ。
「失礼ね」なんて言いながらもリリィも笑ってた。
こんなに心の底から笑ったのなんて、いつ振りだろう。
リリィといると、心がどんどん晴れ上がっていくのを感じるんだ。