「コレ、どないしたんや?」
「何年か前に骨髄バンクにドナー登録した時にもらったの。天使のイラストが可愛くて、それ以来ずっと手帳に挟んでたんだけど……」
すると、隣に座っていたはずのハルの膝の上にノートパソコンが広げられていた。
「これを見て欲しい」
そう言うハルに見せられた画面には、私のブックマークと同じ天使の絵があったんだ。
「これって……」
「これは、アキ兄が立ち上げたサイトなんだ。骨髄バンクのドナー登録を呼びかけるサイト。英語、日本語、ドイツ語で運営されてて、このイラストもアキ兄が描いたんだ」
アキが……?
「ねぇ、そう言われてみると!」
「ほんまやなぁ!」
リリィとジュンは、イラストの天使を見つめながら、二人で声を揃えた。
「どうしたの?」
「レイ、この天使、よーく見てみ?」
ジュンに促されて、私はもう一度、いつもお守りのように眺めていたブックマークを見つめた。
この天使……