バルセロナでアキと別れ一人になった私は、旅を最後まで楽しんだ。

訪れる先では、素敵な出会いも待っていた。





まず、ポルトガルのリスボン

ヨーロッパ最西端の地で、私は韓国人の一人旅をする女の子と出会ったんだ。

きっかけは、彼女から声をかけられたことだった。


「あの……あなたは日本人ですか?」


初めはすごく驚いたけど、彼女とはすぐに打ち解けたんだ。

なぜかと言えば、彼女の自己紹介……


「私は韓国人でシン・ユリと言います。“ユリィ”と呼んでください」


彼女はとても流暢な日本語で言った。

それに、ユリィはちょっとリリィに似ていたんだ。

黒くて長い髪をポニーテールにして、颯爽と歩く姿なんかは、初めてパリで会った時のリリィそっくりだ。

韓国の大学で日本語や日本の文化を勉強しているというユリィは、将来『韓国と日本の架け橋になるような仕事がしたい』って、熱く私に夢を語ってくれた。

そう言うところも、リリィにそっくりでしょ?