「レイに出会えて、本当によかった」
アキの声が耳元に聞こえてくすぐったい。
「うん、私もだよ。アキに出会えて本当に良かった」
私もありったけの思いを込めて伝えた。
アキが優しく頭を撫でてくれる手が心地いい。
「レイの人生はレイだけのものなんだ。だから、自分が思うように生きればいい」
私の人生は、私のもの……
誰のために、何のために生きてきたかわからなかった、アキに出会った頃の私は、もういなかった。
「それなら、誰かのために生きたいな」
自分のために生きるなんて、もったいないよ
私が生きてることで、誰かの役に立てるなら、これほど素敵なことはないもの
「レイらしいな」
アキはそう言って私の頭をクシャっと撫でた。