「レイ、誕生日おめでとう。それと、俺はレイの父さんと母さんに感謝をしなきゃな」

「え?」


アキの温かい声が耳に届く。


「今日はレイがこの世に生まれた日だろ?だから、レイの両親に感謝をする日なんだ」

「私の両親に感謝……?」


顔をあげると、そこにはアキの優しい眼差しがあった。

誰より強くて優しくて頼りになるアキの、黄褐色の瞳……



「あぁ。レイをこの世に生んでくれてありがとうって。俺はレイの両親にいくら感謝してもし足りないよ」



そんなこと、思いもしなかった。

アキが私のお父さんとお母さんに感謝したいだなんて。



「どうしても、それだけ伝えたかったんだ」



そう言うと、アキは立ち上がり、下ろしていたバッグパックを背負い込んだ。


「さぁ、行こうか」


アキがそう言って歩き出したので、私も急いで荷物を背負い、後を追ったんだ。