「ガウディが亡くなって、建築を取りやめるという議論もされたらしい」
「それでも、やめることはなかった」
「あぁ。思うんだ。きっと、ここにはガウディの魂が宿ってるって。彼は、きっとその後に続く時代の人たちが、ちゃんと進めるように、何か道標を残したんじゃないかってさ。だから、彼の思いは途絶えることなく、今も受け継がれているんじゃないかな」
受け継がれる続けるガウディの魂
それは時を隔ててなお、輝きを増し続けている。
外からもう一度見上げた未完成のサグラダ・ファミリアに、思わず瞬きも忘れるほど見入ってしまった。
私たちが、この完成をみることはないかもしれない。
けれども、確かにガウディの残したサグラダ・ファミリアも、ガウディの魂を引き継ぎ進化するそれも、今、目の前にあるのだ。
私もアキも、ただ沈黙して、その姿を見上げていた。
アキは今、何を考えているのだろうか?
チラッと見やったアキの表情に、何か強い決意を感じて、私は胸が締め付けられる思いがしたんだ。