「やっと起きたんか、レイ!」



ジュンはこちらを向いていて、相変わらず大好きなビールを飲んでいた。

その向かいに座ったアキが立ち上がり、こちらを振り返った。



あの時と同じ、深く温かい黄褐色の瞳

蝋燭の灯されたほの暗い部屋の中でも、その瞳はあの時と同じ、温かく優しく、そして力強い光を発している。

前より髪を伸ばしていて、優しい雰囲気になってる。

そして逞しくなった体



アキに一歩、また一歩近づいた。

手が届く距離にアキがいる。

差し出されたその手を掴もうとした。








はずだったのに……