「レイってば、顔が真っ赤!カッワイイんだー!」

「もう!リリィ!!」

「はいはい、冗談よ。レイって友達とコイバナとかしないわけ?」

「そういうのは……苦手だし、それに友達って言うほど仲のいい人もいないし」

「ちょっとー、あたしが親友って言ったでしょ!もう忘れたの?」


そう言うと、リリィはガッチリ私の肩を抱きかかえてくれた。

細いけど、力強くて温かい。


「ありがとう。でも、私、人を好きになったりしたこと、あんまりないから、正直わからないよ」

「あんた、本当に人生損してるわね。まぁ、アキにとっては、そっちの方が好都合だろうけど」

「え?」

「ううん、なんでもないわよ。いいんじゃない、レイはレイのペースで。親友もできたでしょ?今度は恋かもね?」



恋……か

今までだって、いいなと思った人がいなかった訳じゃない。

みんなで騒ぐ程ないにしても、恋かも、と思うことはあった。

でも、アキとの出会いは、あまりにも衝撃的で、私の中ではこれが恋なのか、そうでないのか、そんなことすら、もうどうでもよかったんだ。



ただ、アキと一緒に旅がしたい……

その思いだけ。