リリィの囁きに、私も頷いた。
何年か前に流行った歌だ。
学校の誰かがミスチルが好きで、この歌がいいと力説してた気がする。
波の音に混じって、ジュンのいつもより力強い歌声が響いていた。
たった四人だけのコンサート
リリィはひたすらに海を見つめ、その歌を聴いていた。
頬を一筋、二筋を光るものが流れた。
私は左手に力を込め、視線はジュンに据えたまま、ジュンの叫びを聞いていた。
この歌をこんなにきちんと聴いたのは初めてだった。
でもまるで、自分たちにあてられた歌なんじゃないかってくらい、その歌詞が心に響いたんだ。