「じゃあ、ジュンの一番好きな歌、聞かせて」



リリィみたいに気の利いたことは言えない私の、精一杯のリクエストだった。


「ええよ」


ジュンはそう言って歌い始めた。

隣のリリィを見ると、今にも泣きそうな表情で、私は思わず彼女の右手を強く握ったんだ。

彼女も、ギュっと握り返してくれた。



明かりが少なくてよかった。

きっと、リリィはみんなに泣き顔なんか見せたくないはずだから。



あぁ…この曲……



「“Tomorrow never knows”……」