「大丈夫。その内、荷物を置きにユースに来るだろ。二人の分も取ってあるから。レイも、その荷物かして」


そう言うと、アキは立ち止まって、私のバックパックを背負い込んだ。


「……ありがとう」


ようやく、アキに再会できたのだと言う実感が、こみ上げてくる。

身軽になった私は、アキと並んで歩き始めた。


「よかった。本当に再会できるか、本当は不安だったんだ」

「どうして?」


私から漏れた言葉に、アキはとても不思議そうに私の顔を覗きこんでいる。


「だって、ほら、気が変わったり……それに、何かトラブルがあったり、とか……あるでしょ?」


アキの瞳に見つめられると、心のうちを全て見透かされてしまっているのではと思えてくる。

いや、私の考えてることなんて、きっとアキにはお見通しなんだ。


「俺は、レイと約束しただろ。あそこで、レイを待ってるって。だから、たとえ何があっても、約束は守る。だから、再会できないことなんてありえない。だろ?」


そう言って微笑んだアキの瞳が優し過ぎて、私は思わず俯いてしまった。

ただアキの真っ直ぐな言葉に、胸も顔も熱くなるのを、止めることが出来なかったんだ。