「えぇ~?嘘~?!レイじゃない!」
振り返った先にいたのは、今日も黒くて長い綺麗な髪をポニーテールに結い上げた、リリィだったんだ。
そして彼女の瞳は、私の奥にいたジュンの姿を捉えて、言葉を失った。
その表情には驚きと、そして、再びめぐり会えた安堵感が、伺えたような気がしたんだ。
そして、それは私も同じだった。
リリィの奥にいたのは、まぎれもなくアキだ。
今日は穏やで優しい表情。
たかだか二日離れていただけなのに、この懐かしさはなんだろう。
緊張の糸が途切れ、力が抜け落ちそうな体を、必死で立たせているのが精一杯だった。
四人が四人とも、その場から動けないでいたんだ。
と思ったけど、その均衡を破ったのは、ジュンだった。