「歌は、めっちゃ好きやで。中学でも高校でも、バンド組んで、ずっと歌っとったし」
ジュンの瞳がキラキラしてる。
本当に歌が好きだってのが、言葉じゃなくても伝わってくる。
「バンドかぁ、楽しそうだね」
「あぁ、めっちゃおもろかったわ。もう毎日音楽ばっか。俺には、これしかないって、思うてたなぁ」
「うん、ジュンの歌、最高だもの!」
「おおきに。でもな、俺、他にもしたいことがあんねんなぁ」
「歌以外にしたいこと?」
「あぁ。したいことって言うよりは、せなあかん使命みたいなもん、かな」
「使命?」
ジュンは前を見据えたまま、一つ力強く頷いたんだ。